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伝統とはパクリの連鎖

日本のことを『和』の国と言いますが、この『和』というのは平和の和だけではなく、もう一つ、“足し算”の意味があります。だから日本は、平和でなごやかな国であると同時に、足し算の国でもあるのです。

  

太古は縄文と弥生が交じり合い、明治時代には西洋文化、戦後はアメリカに影響を受けて、それまであった在来の文化とうまく調和して今に至るわけです。それこそが日本の特質であり、日本が得意とするところです。

 

“和の建築”と言えば、障子、ふすま、タタミなどを想像しがち。でも、先に書きましたように、そもそもの『和』というのは、それまであったものに新しい概念をうまく調和させ、今までなかった価値を生み出す足し算精神。ですので、“和の建築”とは、古くからの良さと新しいものの良さから生み出される“新しい価値ある建築”のことだと思います。

  

これは、私が大ファンの建築家 横内敏人さんのお言葉。

 

変な話ですが、ユダヤ民族は世界人口のわずか2%しかいないそうです。がしかし、ノーベル賞受賞者の20%はユダヤ人なんだとか。彼らは0から1を生み出す人たち、つまり“天才”たちです。

 

では日本人はどうでしょう。新しい文化を取り入れても、それまであったものを決して捨てず、うまく組み合わせて取り込んで発展させてしまう。

そう、ユダヤ人が“天才”ならば、日本人は、1を100にする“秀才”なんです。

 

中国から入れた漢字に訓読みをつけて、平仮名とカタカナも発明。漢字と混ぜて使う。さらに西洋の言葉はカタカナで表現。漢字・平仮名・カタカナの3種類の文字を組み合わせて、日本〜中国~西洋の文化をうまく調和させてるのがその証拠!

 

まさに1を100にする秀才的足し算精神じゃないですか!

  

建築業界のあるパネルディスカッションで、パネラーとして出ておりましたところ、『あなたにとっての伝統とは?』との質問を受けました。

 

その時、とっさに私の口をついた言葉が『パクリの連鎖です。』というもの。不謹慎に感じる方もいるかもしれませんが、これは真面目な答えです。

 

『自分よがりな建築をしてはダメ。』

 

昔、建築を教えていただいた師匠ともいうべき人から言われた言葉。

 

『住宅の根幹というのは数十年で変わるものじゃない。日本には何千年も積み重ねられた知恵があるんだから、新しいものも古いものも、洋も和も、建物をもっとたくさん見て先輩たちの仕事を盗め。それをいい所取りして作るのが日本の建築や。』との教えでした。

 

伝統というのは古いものを伝えることだけではなく、この足し算の精神で新しい価値を作り出すこと。つまりチープでふざけた言い方かもしれませんが、『パクリ、からの創造、そして共有と継承』だと思っております。

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