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山林を歩く-10 氷ノ山~氷ノ越ルート~

こんにちは、設計の玉中です。

散歩がてら山林を歩きに行く、区切りとなる第10弾。兵庫県宍粟市や養父市と鳥取県の県境にある氷ノ山の山開きイベントに参加した際のお話です。







5月26日に鳥取県若桜町にある『氷ノ山高原の宿 氷太くん』と『氷ノ山山頂』で開かれた氷ノ山の夏山開きイベントに参加しました。
オープニングセレモニーは登山道近くの宿泊施設『氷太くん』前の広場で行われ、氷ノ越ルートで登山し、お昼から山頂で神事と交流イベントが行われました。






氷ノ山は標高1,510mで兵庫県下では最高峰となる高山で「日本二百名山」や「ふるさと兵庫50山」などに選定されています。
古くは神話の時代に、天照大神が伊勢と出雲との通り道として登ったという逸話があります。






この日は快晴で高原の心地良い空気の中、オープニングセレモニーとして「若桜氷ノ山樹氷太鼓」のグループが記念演奏を行い、登山へ出発するイベント参加者をお見送りしてくれました。




登山道入口から登り始める前に、すぐ近くの湧き水「氷山命水」へ寄って喉を潤します。

横にはプレハブの休憩室も用意されています。中は山小屋風な感じです。





「氷山命水」から少し引き返して登山道入口へ。
ここから山頂まで4.4km。セレモニースタッフの方によると、約2時間半だそうです。

私は申し込んでいませんがガイドさんについてもらって山林内を散策しながらゆっくりと山頂を目指すチームもあり、先に出発していたその人たちに追いついたので、少しの間後ろについて一緒に登ります。




途中で何度か沢を渡りながら、杉林の中を進んでいきます。





登る途中に「さざれ石」があります。
本来の”さざれ石”は小さい石のことなのですが、国歌・君が代の中で歌われているように「小さな”さざれ石”が大きな”巌”になる」つまり「巨石はさざれ石が成長して大きくなったもの」とする巨石信仰が原始日本~平安時代頃まで日本各地であったと言われています。

また、冒頭の方で書いた「天照大神が伊勢と出雲を行き来するのに氷ノ山を登っていた」という逸話にまつわるものでもあり、出雲から伊勢へ向かう時に天照大神がこのさざれ石に腰掛けて休憩した、と言われています。
この氷ノ山登山道はお伊勢参りの一環として、現在の京都府福知山市にある元伊勢と、鳥取・因幡・但馬地方を繋ぐ拠点として明治時代頃まで登られていたとされています。





散策チームに先を譲ってもらい、ドンドンと登っていきます。

分かれ道・分岐点には看板が立っているのに加えて、「氷ノ越ルート〇/10」のような案内看板もあり、自分がどのくらいの位置にいるのかを細目に確認できるようになっています。

万が一斜面を滑り落ちるなどで登山道を外れてしまった場合でも、救助隊にどの辺りにいるかのヒントを伝えることが出来る、重要な情報です。




氷ノ越ルートの重要チェックポイント『氷ノ越』に到着しました。
登山道入り口から頂上までで言うと4合目と5合目の間であり、距離は残り2.1kmと看板に書かれています。登山道入口の看板では頂上まで4.4kmだったので残り2.1kmなら半分は超えているのに、5合目の目印はまだ出てきていません。謎です。(氷ノ越から数分先に5/10の看板がありました)
ちなみにこの段階での標高は1,250mです。

養父市のハチ高原方面から登ってくる登山道や氷ノ山の北側に広がる鉢伏山への登山道などが集まるポイントで、遭難を防ぐための避難小屋もあります。





氷ノ越からは尾根筋を行くので、山林は少なくなってきます。
ここまでの道は初心者でも歩きやすい道でしたが、ここからはさっきまでと違って乾いた地面ばかりになり、少し滑りやすかったりする部分もある健脚向けコースになります。




頂上まで残り2.0kmを切った辺りは道も少しだけ下り坂で、そこから更に山の下へ標高800~1,000mくらいの範囲にはブナの原生林が広がります。

天然記念物のイヌワシなどが生息する貴重な自然林で、一般の人は立ち入り禁止となっています。




7合目の手前くらいで少し開けた場所があり、山頂の避難小屋が見えました。

また、7合目を超えたあたりで山の向こう側に高原が見下ろせます。おそらくハチ高原のスキー場だと思います。




8合目に当たる仙谷口の分岐に到着しました。

今回の氷ノ越ルートとは別の、より健脚向けな仙谷ルートとの合流点になっています。
現在は登山道が侵食されてしまって仙谷ルートは通行止めになっているそうです。

8合目から先はさらに岩場が増えて歩きにくくなっていくようです。




ハッキリと山頂の避難小屋が見えるようになりました。
頂上まであと一息です!






頂上の広場に到着しました!
神事などの催しは12時半からなのですが、到着時刻は11:45くらい。

暇だったので反対側の養父市から登ってくるルートを『神大ヒュッテ』まで少しだけ逆走しましたが、今回は省略。




戻ってくると神主さんと巫女さんも到着・更衣を済ませていました。神主さんは神事の打合せ中でした。
巫女さんたちは夏山開きイベントの参加者へ登山記念のカードを配布していたので、記念撮影です。




山頂でのイベントとしては
・1年間の登山客の安全を祈願する神事
・若桜町長と宍粟市教育委員会委員長とのじゃんけん大会(景品有)
・若桜町産米麹のノンアル甘酒の振る舞い
が催されました。

じゃんけん大会は全て1回戦で消えることとなりました。




山頂での催しが終わった後、空腹をこらえながら下山。
受付スタッフさんから下りでも2時間くらいと聞いていましたが、ほとんどは階段状なのでポンポンポンと下山していき、1時間ちょうどくらいで下りられました。

登山道入口から氷太くんに戻り、豚汁やホットドッグ・参加賞の手拭いを戴き、鳥取県内の学生さんから指導を受けながらアイシングをします。
登頂特典の抽選では桜ジャムが当たりました。




今回はここまで。

イベントの時間を除いても往復4時間弱かかっていますので、散歩がてらとは言えないような強度でしたが、偶にはしっかりした登山も良いですね。

今回は通っていない宍粟市側から登るルートには宍粟市が整備した展望台があるそうなので、暑さが落ち着いた時期になったら挑戦するのも一興かと思いました。

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玉中 健太

玉中 健太

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資格:宅地建物取引士・二級建築士

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