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線と管をつながない 好文×全作の小屋づくり

本日7月5日は「アナゴの日」。「あな(7)ご(5)」(穴子)と読む語呂合わせと、穴子が最も美味しい時季であることから決められたそうな。蒸し暑い時期に食べると滋養に良いとされる「土用の丑の日」でメジャーになったウナギの陰にかくれて目立たないが、ビタミンAやビタミンB類、カルシウムが豊富で夏バテに効果的とされています。最近高くなったウナギよりもお財布にやさしいアナゴが好きな築山です。

久しぶりに一冊ご紹介。

線と管をつながない 好文×全作の小屋づくり
著者 中村好文
   吉田全作
発行 株式会社PHPエディターズ・グループ
初版 2022年7月4日


普段意識することがほとんどないが、家は様々な線や管とつながれている。ライフラインと言ったりもするが、電線、水道管、下水管、ガス管のことだ。それらの線と管をつながずに小屋(家)をつくってしまった建築家、中村好文氏とチーズ農家、吉田全作氏の事の顛末記となっているのが本書なのだ。

小屋といっても、そこで生活をできるようにするには、キャンプのようなわけにはいかない。
ライフラインとつながない暮らしを、とはいえ現代人が暮らしていくにはやはり、電気や水はすぐに使いたいし、生活する上で排泄処理や生活排水処理を疎かにはできない。それらの課題をひとつひとつ解決していくところが本書の一番興味深いところだ。

電気

発電設備は今やポピュラーな存在となって価格も手ごろなものとなった、太陽光発電を利用している。立地が岡の上ということもあり年中よい風が吹いているので風力発電という手もあったのだが、丁度いい塩梅の物がなく断念している。ただ、どちらにしても自然エネルギーを利用しているので24時間常に発電しているわけもなく発電量も一定ではないので、作った電気をためておいて、使う時に取り出すしくみが必要になる。このしくみは蓄電池や電圧をかえるインバーターなどを用意すればよく、昨今のエコ住宅でもおなじみになっているので、なんとなくイメージはできるものだ。全作氏はいろいろと模索した中フォークリフト用の鉛バッテリーを使うことにした。これは、メンテナンスさえすれば10年の使用に耐えるもので、使えなくなっても再生が可能ということらしい。



水は雨水を利用している。屋根に降った雨を樋から地下のタンクに貯めて使っている。竪樋の途中に粗ゴミや落ち葉を取り除きながら取水できるものが取り付けてある。この集水器はドイツ製なのだが、エコロジー先進国のドイツにはこんな物がホームセンターで買えるらしい。で、ここから先が驚きなのだがタンクに貯めた雨水はろ過装置を通して給水されている。要は生活用水だけでなく飲料水としても使っているというのだ。ろ過装置には株式会社十字屋のTC-12Jというものでフィルターが目詰まりしてくると、ろ過水を逆流させて目詰まりを取り除くことができるらしい。

温水

小屋暮らしでは忘れられがちな温水だが、水をお湯に変えるにはものすごく沢山のエネルギーと労力がいるので何かいい給湯の仕組みを取り入れた方がよいというのが、お二人共通の考えだ。今回採用されたのが「真空管太陽熱温水器」。寺田鉄工所のST-195/24F-Yという製品で熱源は太陽なので電気とか使わないのがお勧めらしい。ちなみに日照が少なくなる冬場のことも考慮して薪ボイラーも導入しているのだが、この本が出版されるまでに2回しか使う機会がなかったらしい。

排水

台所で水を使えば「排水」が必要になります。管でつながるところでは下水施設に当たる仕組みが必要になるわけです。ここでの排水は「傾斜土槽」と呼ばれる方法です。何段か積み重ねた箱の中を排水が通り抜ける仕組みなっていて、排水に含まれる有機物を中の微生物が食べて分解してくれるのですが、増えすぎるとフィルターが目詰まりを起こすので箱の中でミミズを飼って増えすぎる微生物を食べてもらい水道(みずみち)をつくる役割を担わせます。ミミズもなんでもいいわけではなく「縞ミミズ」という微生物が大好物で大食いのものに限るそうです。そして、通り抜けた水は「バイオ・ジオ・フィルター」といういわば浄化する水路を通って最終的にはビオトープ(池)に流れ込みます。浄化の仕組みにミミズが絡んでいるので、洗剤は天然素材のものにすることと、熱いお湯を流さないことに注意しなければいけない。

トイレ

いろいろと検討していたなかで見つかったのがカナダ製のトイレシステムで、用を足した後、ボタンを押すと蓋が開いて真空パイプで発酵槽へズバッと移動できる。これで便器を屋内に設置しても排泄物を処理する発酵槽を離れた小屋に設置することができる。大鋸屑を利用したバイオトイレは定期的に攪拌する必要があり、数日家を空けるようなことがあるとコバエが湧いたりするので家の中はイマイチなのだがこのシステムは一気に解決してくれる。価格も大鋸屑便所と同じくらい。エンバイオレットというカナダの会社で作っている。


この小屋はすべての線と管をつながずできあがった。完成から3年半小さなトラブルがありながらも、順調に機能している。知恵と工夫を駆使して、快適な小屋暮らしをつづけておられるようだ。なにか線と管につながれないことが現代社会のアンチテーゼに見えてくるのはなぜなのでしょう。全てを取り入れることは難しいとしても、いくつか導入してみると防災の観点からも効果がありそうですね。

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築山 大祐

築山 大祐

住宅事業部 営業設計一課

資格:2級建築士

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