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“豊かさ” と “ゆとり”

 

豊かさとゆとりの違いって?辞書で調べてみると以下のようにありました。

  

 ・豊かさとは、十分に満ち足りて、不足のないさま。十分にあるさま。

 ・ゆとりとは、物事に余裕があって窮屈でないこと。あくせくしない。

 

戦後、日本は、豊かさを得たけど、ゆとりを失ったのではないですかね。

 

 

 

大の日本贔屓のアメリカ人。アレックス・カーという人の講演会を聞いたことがあります。

この人は、若い時に日本を旅行し、その自然と文化の美しさに感激して日本に移住。京都の河床付きの町屋に住みながら、日本の古屋改修や景観づくり/保全に長年尽力されてきた方です。

(※著書に“美しき日本の残像”という名著があります。)

 

 

この中に、以下のような文章を見つけました。

 

ヨーロッパ諸国における産業革命は、ゆっくりとした変化であり、四百年以上もかかっています。それに比べると、中国や日本ではあまりにも急速に起こったと言えるでしょう。その上、100%異文化によってもたらされたものです。
 

考えてみれば、今の西洋人の服装、家の造りなどは、ヨーロッパ文化の中から自然に発展してきたので、「現代生活」と「昔の生活」との間に、あまり矛盾を感じません。だからイギリスやフランスの田舎は、昔のまま美しく残ることができ、中世時代のものは数え切れないほど沢山残っていて、そこに住む人々は古い町並みを大切にしています。

 

一方、現代の中国人や日本人の伝統的な服装や家は「美しい」と感嘆はしても、その心の中では、現代の生活とはかけ離れている事を知っています。極言すれば京都が「ウソ」の世界になってしまっているのです。そのため、東洋には「パリ」や「ローマ」はなく、京都、北京、バンコクは次々と粗末に扱われて、コンクリート・ジャングルと化していきました。それと同時に田舎は、立て看板、電線、アルミサッシなどが溢れ、伝統的生活様式はすっかり忘れ去られていきました。これは日本に限ったことではなく、東洋全体の悲劇です。

 

 

戦後日本は、戦勝国のアメリカやヨーロッパ勢に、追いつけ追い越せと、西洋文明を一気加勢に取り込んだおかげで、非常に快適かつ便利な国になっていきました。それは社会インフラだけでなく、家の中でも同じくです。

 

しかし、文明を取り込むのは良かったのですが、文化までもいっぺんに変化しすぎたのではなかったか?この懸念が残ります。

文明は総じて新しいものの方がクオリティーが高くて良いものになりますが、しかし、文化は逆。長い歴史を持つ方が文化の価値は高い。

文明を新しくする時に、文化までも入れ替えてしまったとすると、その失った代償はあまりにも大きい。

 

戦後日本は、文明という豊かさを得るために、文化というゆとりを失ったのかもしれません。

 

せめて、家庭の中の文化は取り戻したいと思います。

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