
facebookでこんな絵を見つけました。兵庫県の地図を面白おかしく表現したものなんですが、淡路島はパソナ帝国と玉ねぎ王国(国家元首上沼恵理子)、三木市あたりはゴルフ王国、三田あたりは大阪の植民地?豊岡あたりは、コウノトリガチ勢とカニと温泉とタジマビーフ、丹波は黒豆と栗とジビエ、尼崎は独立国家尼崎、姫路は姫路城とサファリパークとおそらく姫路、相生は船作ってた、赤穂は塩作ってる忠臣蔵、そして宍粟市は謎?って何・・・?言い得て妙ではありますが、そりゃあないぜって感じです。
まあしかし、宍粟市は何もないってことなんだろうけど、一般的にはそういう印象なんでしょうね。播磨地域はおおむねブランドづくりに熱心でなかった地域だとは思います。姫路沖で取れた鯛やタコは明石に持っていって水揚げをするし、昔は宍粟市でいい木がとれたら、吉野へ持っていって吉野の原木市場で売っていた時期もあったそうです。なぜなら、そうした方が良いねで売れるからでしょう。
ブランドを作るというのはめっぽう時間と労力が掛かるものです。今すぐの銭を追いかけていてはできません。特に木材。少なくとも建築用材にするには50年かかる。爺さんの世代に植えたものがやっと使える大きさになる。ブランド作りとはそういう時間軸でやっていくものです。
しかしながらこういうケースもあります。大間のマグロ。マグロというのは回遊魚ですから、黒潮に乗って長距離を移動します。高知沖で釣れるか、千葉沖で釣れるか、はたまた青森の大間漁港の船に釣られるか。どこで釣ってもマグロはマグロ。一緒であるはずですが、大間のマグロだけは何故だか価格が違う。非常に高価格ですね。これなんで?と思っていたのですが、どうやら、釣り上げたときの血抜きと氷による冷凍技術の品質を、各マグロ漁船が統一して大間漁港のブランドにしていったとか。かなり強力なリーダーシップと強い気持ちで協力関係を気付き、時間をかけた話し合いの末に出来上がったのでしょうか。夕張メロンも14件の農家が協力し合って、品質を統一して作り上げたブランドだそうです。
しそう杉のブイランド化を始めたのが20年前。まだまだ時間がかかりそうですが、3年ほど前に導入した新型乾燥機がひょっとしたらブランド化に寄与してくれるかもしれません。真空減圧乾燥機がそれです。この乾燥機、従来の乾燥機と違って、木材の表面と芯の乾燥度(含水率といいます)がほぼ同じ。その上に細胞の変質がほとんどないので、色ツヤと香りが自然乾燥材にしか見えないしとにかく芯割れが少ない(我々工務店はこの芯割れをめっぽう嫌います)。おそらく、今考えうる最高の材木乾燥機でしょう。人工の乾燥ですから、品質にムラがなく、高品質の材木をお客さんの住宅づくりに使えるので、工務店は安心して建築ができます。
でもこの乾燥機、お値段が高かったんです。いろいろ悩みましたが、大間のマグロの話を聞いて、一時処理の大切さがわかって、ブランドにするにはこれしかない!との思いで導入しました。
しそう杉と命名したのは20年前。いろんな林産地マップにしそう杉の名が載るようにはなってきましたが、まだ今回の兵庫県の面白マップにはのっていない。あと何年かかるかわかりませんが、このマップにも“しそう杉”と乗るようになりたいものです。