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機械等級JAS認証

ヤマヒロの製材〜材木加工部門のしそうの森の木の製材所が2年間取り組んでいた、機械等級JASの認可がおりました。特筆するのは木材の内部割れが非常に少ない乾燥手法の真空減圧乾燥機を使っていることと、上下芯去り材(※参照 上記図面)での機械等級JASとなったのは日本初だということ。

戦後80年が経ち、植えられた木材が直径40cmを超え、梁材を取り去った後、産廃処理の必要な部分(辺材=コア)が増えて、国産材の値段があがり、ますます国産建築用材が使われにくくなる中、全国的に山の経営が困難になると予測されるのが“大径材問題”。国内の山地の大きな面積をしめる杉、桧などの人工林は、治山や治水など公益性の観点で大きな問題です。このまま国内の林産資源が使われなくなれば、洪水や山崩れなどの危険性が高まると思われます。今回の大径材の上下芯去り製材を行なった機械等級JASの認可によって、この問題解決と共に、兵庫県産材のブランド化に大きな希望をもたらす可能性が出てきたと、県内の技術関係者も大いに期待を膨らませております。

宍粟市にある県の森林林業技術センターと(株)しそうの森の木が共同で10年にわたってこの大径材問題の解決に取り組んできました。この間に材木の乾燥によるひび割れ、歩留まりなどの問題にも同時に取り組み、一定の研究が進んだため、3年前に(株)しそうの森の木が新規に製材所を設備。そしてこの度の機械等級JAS認可につながりました。

工業生産品にJISがありその品質の保持を数値化できるように、農林水産にはJASがあり、なかでも機械等級JASは一本一本の含水率とヤング係数という数値をしらべ、材木の品質が機械によって厳しく格付けされて印字されます。今年度4月1日から施行された建築基準法の改正に伴って必要になる構造計算に対応するにはこの格付けが必要となります。特に注目される大型木造建築には構造計算が必須なため、これに対応できるこの製材品の需要に期待が持てます。

住宅において大切なのは、住み心地や家族との寛ぎなど、情緒に関わる事柄や、デザインとディテールといった見栄え、そして間取りに代表される機能面の使いやすさなどではありますが、これらは全てそれ以前の安全性や耐久性があってのこと。これを数値化するための手法が多くの研究者によって作られてきました。断熱数値や構造計算などもその一つですが、今まで材木の品質についてはあまり言及されていませんでした。

ヤマヒロは建築屋かつ製材所ですので、ここには大いに取り組んできましたし、これからも積極的に取り組んでいきたいと考えております。なにも節の多い少ないや、木目の美しさだけが材木の価値ではありません。内部の割れや地震に耐える力など、また、乾燥度合いといった耐久性など、それらを数値化して格付けすることも、作り手としてこだわっていきたいところです。

大径材問題は全国で同時に起きており、大径材を上手に活用することができれば、お米にならぶ有力な競争資源になる可能性もあります。地域経済のためにもがんばって広めていきます。


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