こんにちは、管理課の玉中です。
3月31日に交付申請の受付が始まった三省合同補助金『住宅省エネ2025キャンペーン』
申請開始までに一通りの概要紹介記事を書くつもりだったのに早くも4ヶ月近くが経とうとしていますが、遅ればせながら残りの制度の紹介もしていきたいと思います。
今回は最後の1つ『先進的窓リノベ2025事業』について紹介します。
窓やドアに関するもので、補助限度額が最大200万円となっている補助金です。
三省合同補助金全体や他の事業については過去記事もご覧ください。
下にバナーを貼っておきます。
1. 速報!住宅省エネ2025キャンペーン

2. 子育てグリーン住宅支援事業 新築注文住宅編

3. 子育てグリーン住宅支援事業 リフォーム編

4. 申請開始!住宅省エネ2025キャンペーン

5. 給湯省エネ2025事業

1. 先進的窓リノベ事業とは
補助金『先進的窓リノベ事業』は三省合同補助金の中でも環境省が管理しており、三省合同となった2年前から『給湯省エネ』と同時に始まった補助金です。
既存住宅の早期の省エネ化を図り、エネルギー費用負担の軽減や住まいの快適性向上を目的とし、先進的な断熱窓等の導入を加速することが趣旨となっています。
一般的な住宅の場合、屋内と屋外の熱の出入り口は窓やドアなどの【開口部】が最も多いため、その断熱性能を強化することで効率良く建物全体の性能を上げることが出来ます。

制度が始まった初年度から大きく変わった部分はなく、一定の性能を有すると事務局に登録された製品に限られますが、補助金額の大きなとてもお得な制度となっています。
2. 補助対象
続いて、先進的窓リノベ事業の補助対象を確認しましょう。
事業に申請する補助対象者は
①窓リノベ事業者と工事請負契約を締結し、開口部のリフォーム工事をする方
②開口部のリフォーム工事を行う住宅の所有者等である方
の2点を満たす方です。
②の【所有者等】には「住宅を所有する個人または家族」以外にも「住宅を所有し、賃貸に供する個人または法人(=大家さん)」や「賃借人(=借りて現地に住んでいる方)」「共同住宅の管理組合」なども含まれています。

次に対象となる工事についてです。
先進的窓リノベ事業の補助対象は大きく4つに分類されていて、
①ガラス交換
②内窓設置
③外窓交換(カバー工法、はつり工法)
④ドア交換(カバー工法、はつり工法)
の4種類が対象となっています。
ただ、これら4種類に当てはまっていればOKというわけではなく、
「1.事業とは」にも書いた通り、高い断熱性能を有すると登録されている製品を選定する必要があります。
後述しますが、申請可能な製品の中でも性能の高さによってグレード分けされていますので、性能区分についても確認しましょう。

具体的に補助対象となる「高い断熱性能」とは、戸建住宅の場合はUw・Ud=1.9 W/(㎡・K)以下となる製品です。
Uw値とは、フレーム・障子部・ガラスなどで構成される1セット分のサッシ全体で見た際の熱の通しやすさを表す数値です。
0に近ければ近い程、熱が伝わりにくく断熱性に優れていて、逆に数値が大きい程、窓から失われる熱が多いことを示しています。
Uw値は窓(Window)バージョン、Ud値はドア(Door)バージョンのことですが、計算式や基準は同じです。
『先進的窓リノベ事業』が始まる直前の2022年3月に発表された「サッシ及びガラスに関して建材トップランナー制度の目標基準や判断の基準等の見直し」についてのとりまとめの中で、2030年の建材トップランナーにおける窓の目標値はUw=2.08W/(㎡・K)と設定されました。
Uw=1.9以下はこれよりもさらに高性能なサッシ、という基準になっています。

ただし、2024年度は一部例外としてUw=1.91のようにカタログ上の数値では僅かに足りていない製品であっても「ガラス中央部の熱貫流率(Ug)」という別の基準で性能を満たす製品として登録されている場合がありました。
それでは4種類の対象工事の注意点を個別に確認します。
①ガラス交換工事
外壁に取り付いているサッシ枠はそのままで、障子ごと又は障子部も既存のままでガラスだけアタッチメント等で入れ替える工事のことです。

ガラス交換の注意点については2つあります。
1つ目は、サッシの枠は既存のままなので、新しくしたガラスと既存部分の組合せによって性能が決まるということです。
昔は一般的だったアルミサッシの場合などは枠や障子部の性能が低いままのため、ガラス交換で「Low-E複層真空ガラス」などの性能の高い製品を採用しても『先進的窓リノベ』の補助対象にならないケースもあります。
この場合は『子育てグリーン住宅』の方でなら申請出来るかもしれないので、そちらも同時に確認してみてください。
注意点の2つ目は、ドアにつくガラスのみの交換は対象外という点です。
明り取りのために玄関ドアにガラスが付いているデザインのものは多くあります。
このようなドアの一部となっているようなガラスを交換しただけの場合は申請対象とはなりません。

②内窓設置
建物の外壁(熱的境界)に存在する既存窓の室内側に内窓を設置する、又は既存の内窓を取り除き新たな内窓に交換する工事を言います。
内窓設置においては内窓の設置位置と既存窓との関係に注意が必要です。
以下の図のように、
既存のサッシと平行かどうか
既存のサッシから遠すぎないか
サッシのみの出窓か壁などの躯体も出ているのか
などがチェックポイントとなります。


③外窓交換
外窓交換の「外窓」は、本制度では『住宅の外皮部分(外壁ライン上にある熱的境界)にある開口部の内、屋外から施錠出来ない建具』と定義されます。
屋外から施錠出来る建具は「ドア」として扱います。
外窓交換には「カバー工法」と「はつり工法」の2種類があります。
「カバー工法」は既存窓の障子・ガラスだけ取り外し、外壁に取り付いているサッシ枠は残したまま上から新たな窓枠を覆い被せて取付け、複層ガラス等の障子に交換する工事です。
外壁を壊さないように施工するので、スピーディーかつ安価に工事できる場合が多いです。
一方で、はつり工法に比べて同じシリーズの製品でも若干断熱性能が落ちる場合があり、同じサイズの窓でも「はつり工法用」はSグレードだが「カバー工法用」はAグレードと補助金額が変わるケースもあります。
「はつり工法」は既存の窓枠も取り除き、窓枠も障子もセットで新しいものを取付ける工事です。
一般的な窓の交換と言ったら「はつり工法」を差し、窓の入替えと合わせて窓廻りの外壁の断熱材も入れ直すので最終的な断熱性能はコチラの方が優れていることが多いです。

外窓交換の注意点としては、定義である【外皮部分(外壁ライン上にある熱的境界)にある開口部】という文言に当てはまるかの確認です。
具体的にはサッシの外にテラスやオーニングなどの囲い商品が付いている場合や、建物と一体のガレージや倉庫に面したサッシである場合などに、外皮部分であると証明出来るように写真を撮るなどの準備が必要です。
山弘の過去事例としても、住宅の外壁と道路沿いのコンクリートブロック塀の間に波板鉄板の屋根を張っていて、申請審査の中で「窓が付いている壁が外皮部分かどうか分からない」と言われたことがあります。
幸いこの事例ではコンクリートブロック塀と波板鉄板屋根を外から撮影することで証明できましたが、注意が必要でしょう。

④ドア交換
ドア交換の「ドア」に当てはまるかは、本制度では『住宅の外皮部分(外壁ライン上にある熱的境界)にある開口部の内、屋外から施錠出来る建具』と定義されます。
玄関ドアだけでなく勝手口ドアもある他、離れの出入口やガレージに面した窓として外からも施錠出来る店舗用サッシを住宅に付けるケースなんかもあるかもしれません。
ドア交換で一番の注意点は、ドア交換単独での申請は出来ないということです。
ドア交換は「他の窓の工事と同一の契約であり、同時に申請する場合のみ本事業の補助対象となる」と明記されています。
申請下限金額はドア交換1つでクリア出来るのですが、他の窓の工事と一緒に申請出来ないのであれば『先進的窓リノベ』は活用できないので、代わりに『子育てグリーン住宅』なら出せるかどうか要件をチェックしてみてください。

4つの工種それぞれに異なる注意点がある上、サッシの性能区分の考え方は独特な部分もあってややこしいです。
さらには『子育てグリーン住宅』の対象となる住器などのように公式サイト内の品番検索機能はあるのですが、サッシの製品登録型番がカタログの品番とは一致していないケースが多いので、自力で調べるのは難しいと思います。
まずは施工店に確認してもらってください。

3. 補助金額
次に補助金額について見ていきます。
先述の通り大きく4つの対象工事があるのですが、工種ごとに「性能区分」と「サッシのサイズ」による単価設定がされています。
性能区分は以下の表のようになっています。
よく使用しているサッシとガラスの組合せを例にしますと、
樹脂サッシ+Low-E複層ガス入り:Sグレード
アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガス入り:Aグレード
の採用が多いですね。
ただし、同じ仕様の組合せでも製品のメーカー・サイズ・窓種類などによって変わることもあるため、施工店に確認してみましょう。

続いてサッシのサイズについてですが、大・中・小の3段階に分かれています。
ガラス交換の場合、
大:1.4㎡以上
中:0.8㎡以上~1.4㎡未満
小:0.1㎡以上~0.8㎡未満
と決められています。
内窓・外窓・ドアについては
大:2.8㎡以上
中:1.6㎡以上~2.8㎡未満
小:0.2㎡以上~1.6㎡未満
となっています。
ガラス交換の2倍の面積ですね。
この「性能区分のグレード」と「サッシサイズ区分」を踏まえて、
戸建住宅の場合、それぞれの補助金額単価は以下の通りです。
この補助単価に工事する窓・ドアの箇所数を掛けて、合計したものが補助金額となります。

工種に関わらず影響する注意点が3点あります。
1つ目に、補助事業に要する工事費(補助事業に要する経費)に含まれる費用が補助額を下回る場合、申請することが出来ません。
工事費用が補助額よりも少ないということは、工事を行って性能向上した上にお金も貰ってしまうということです。
事業は工事費用の一部に補助を行うものであるため、サッシの代金や取付施工費などの工事費用よりも補助金申請額の方が多いとNGとなります。
2つ目に、補助金申請額の下限が5万円となっており、これを下回る補助金額の場合は申請出来ません。
例えば浴室改装工事のような1部屋のリフォーム工事の場合、窓リノベ事業に申請する工事は「外窓交換(はつり工法)の小」を1ヶ所だけというケースは多々あります。
これが性能区分Aグレードだったら補助金額は46,000円なので、下限に届いておらず『先進的窓リノベ』の申請は出来ないということになります。
補助額が5万円以上になるように性能グレードSの製品やカバー工法の製品を用いるか、窓リノベではなく子育てグリーンの方で申請するか、などの対応策が求められます。
3つ目に、補助金申請額が30万円以上となる場合は追加書類の提出が必要となることです。
通常であれば施主様が関係する申請書類は「共同事業実施規約」と「工事請負契約書」と「本人確認書類」の3点なのですが、補助額が30万円以上の場合は追加で「既存住宅であることが確認できる書類」の提出が求められます。
具体的な書類としては
1) 建物の不動産登記事項証明書
2) 建築確認における検査済証
3) 固定資産税の納税通知書および課税明細書、または証明書
のいずれか1つです。
これらの書類によって「建築年月日」や「用途が居宅(住宅)であること」などを確認します。
4. 重要な要件変更
先日、7/15に発表になった重大な要件変更がありますので紹介します。
それは9/15以降に交換・設置する外窓・ドアに係る要件を見直し、以下4項目に該当する外窓・ドアは補助対象にならなくなる。というものです。
①外壁等に新たに開口部を設けて設置する外窓・ドア

②既存の開口部を拡張して設置する外窓

③開口部の位置を変更して設置する外窓・ドア

④既存の開口部における外窓・ドアの交換工事において工事前のサッシ数を上回る数を設置する外窓・ドア

の4項目です。
救済措置の1つとして【BELS評価書または既存住宅性能評価書等の提出により、リフォーム後において断熱等性能等級5以上を満たす住宅については上記①~④に該当する場合であっても補助対象とする。】と定められています。
設置位置もサイズも同じまま窓・ドアを入れ替えるだけの工事であれば問題は無いのですが、リノベーションと呼ばれるような大規模改修や増築・減築を伴うような工事の場合は間取りと共にサッシの位置も変わることが大半です。
腰窓を掃出しサッシに変更するなど開口部を拡張したり、元々は開口部の無かった壁に窓を増やすことも少なくないでしょう。
そのような工事の場合、全ての外窓・ドアを申請対象にしようとすると、登録製品になっている高い性能のサッシを選ぶことは勿論、第三者機関の審査を受けて評価書等を取得するという手間が増えることになります。
第三者機関へ支払う審査手数料や申請書類を作成する経費などが増えるため、貰える補助金額は実質的に15万円くらい減ってしまう恐れがあります。
LDK改装工事のようなリフォームの場合ですと、工事内容によっては対象に出来ない窓ばかりになって、申請下限の5万円を割ってしまうような事態も起こらないとは言えません。
これはかなり大きな変更だと感じています。
また、この要件変更は『先進的窓リノベ』だけでなく『子育てグリーン住宅』にも同様に適応されることになっています。
着工日・完工日だけでなく、サッシやドアの取付日も施工店とよく相談しておく必要が出てきそうです。

5. 最後に
『住宅省エネ2025キャンペーン』の1つである『先進的窓リノベ2025事業』について紹介しました。
三省合同で行っているキャンペーンの中で最も大きな補助限度額を持つ『先進的窓リノベ』
補助単価も高いので、申請の漏れがないようにしないといけませんね。
予算枠にはまだ余裕がありますが、大きな要件変更があったことで申請ペースが急に上がるかもしれません。まだ検討中と言う方はお早めにご相談ください!

住宅事業部 管理設計 玉中健太
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