こんにちは、管理課の玉中です。
先日、気になるネット記事を見つけました。
それは昨年12月に国連が支援する世界最大級のESG投資家ネットワーク・責任投資原則『PRI』が「バイオマス燃料はライフサイクル全体で見ればカーボンニュートラルとは言えない」と指摘したことを受けた記事でした。

『カーボンニュートラル』の定義については環境省の「脱炭素ポータル」HPによると、
カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること。「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」※ から、植林、森林管理などによる「吸収量」※ を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
※ここでの温室効果ガスの「排出量」「吸収量」とは、いずれも人為的なものを指します。
と書かれています。
カーボンニュートラルとは – 脱炭素ポータル|環境省 より
その達成に向けて「エコアクション」や「デコ活」など、省エネや環境に配慮した行動をまとめたリストの作成などを行って呼びかけを行っています。

そんな環境に配慮した行動が様々なところで取り上げられているのですが、その1つとして話題になったのが『バイオマス燃料』です。
経済産業省の資源エネルギー庁HPによると、
バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称。
バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。
技術開発が進んだ現在では、様々な生物資源が有効活用されています。
と書かれています。
バイオマス発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー

冒頭のネット記事では特に『バイオマス発電』について、その問題点について述べていました。
PRIの指摘する問題点として挙げられている1つが、燃料の調達の部分です。
バイオマス発電で燃やされている多くは木材です。
木材を燃やす際に排出される二酸化炭素(CO2)は、植物が光合成によって大気から吸収したものと同じ量になるため、原理的には大気中のCO2を増やさないというのがカーボンニュートラルの理屈です。
しかし、問題点として指摘されている根拠は「木が吸収・固定した炭素を燃やして空気中に戻してしまう分が±0とすれば、育成・伐採や運搬にかかるエネルギーや排気ガスの分だけ余計に消費していることになる」という考え方です。
また、数十年かけて炭素を固定化していた木を燃やして二酸化炭素を排出することは、短期的に見れば空気中に温室効果ガスを増やす事にもなり得ます。
実は、元々のバイオマス発電は丸太から必要な部分を切り出した残りの部分(=端材)や、森林生育のために間伐・除伐したが用途がなくて困っていた未利用材など、いわばゴミを燃料として使うことを想定していました。

しかし、FIT制度(固定価格買取り制度)をはじめとする優遇措置によって、最初からバイオマス発電で燃やすために木を伐るという逆転が起きています。
PRIはこの部分を特に問題視しており、こうした伐採した木材を使うよりもバイオマス発電所に持ち込んだ方が高く売れるという状況が生まれたことに警鐘を鳴らしています。
レポートの中で一次木質バイオマス(森林から直接伐採された丸太や切り株や枝)をエネルギー利用することに対して、行政に財政的支援を停止するよう求めています。

山弘の関連企業、しそうの森の木でも丸太から柱や梁などを切り出した残りの部分(=端材)は発生しています。この端材をただのゴミにせずに活用しようという取り組みがバイオマス発電普及の原点です。
しそうの森の木では自社で発生した木屑や端材はバイオマス発電所に売ったり産業廃棄物として捨てるのではなく、木質固形燃料「ペレット」へと加工して製造・販売しています。
作ったペレットは主に温水プールなどの施設や家庭用ペレットストーブなどの燃料として使われています。
発電ではありませんが、木屑や端材、すなわちゴミを有効活用しようとする点では同じです。

しかし、森の木ではさらに進んだ活動として、1本の木を有効に使えるように計画する「木取り」の工夫・努力をしています。
一般的な製材所では捨ててしまうような端材からもフローリングや積層板の材料となる板材を取得し、ゴミとなる端材を極力少なくした上で、最終的に残る小さな外側の部分を砕いてペレットの材料に加工しているのです。
定期的に工場見学イベントなどもしています。
詳しく説明を聞いて頂いたり、製材前の丸太や作ったペレットに触ってもらうことも出来ます。

ゴミを有効活用するのは良いことですが、燃やすために木を伐るようでは本末転倒。
しっかり木を生育して、生きている木を大切にする。
そして伐った木は木として使う。
そんな基本に立ち返ることも忘れずにいたいです。
新築事業部 管理設計 玉中健太
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